実用的な円周率(π)の桁数は何桁なのか!
3/14 は π(円周率) の日でしたねw
ゆとり教育では、π≒3と教えていたそうですね!
本来、簡単に近似値を求めるための指導要綱だったものと記憶していましたが...多くのでは学校では強制的にπ=3らしいと!
ゆとり教育が終わった今でも、π≒3.14と教えていると!
これって、すごくアホな教育です!!
π=3 よりはマシですけど(^^ゞ
どうして?!って思われるかたも多いと思います。
特に工業系の高校、高専、大学などに在籍または卒業された方なら同意される方が多いと思います。
どうしてなのか?!
現実的な話で紹介したいと思います。
例えば、
ある長さlの円周の穴に隙間なく入るパイプの直径dを計算するとします。
計算は簡単です。
d = l/π
この式を元に簡単に説明します。
その製品の合格基準は誤差±0.1mmとします。
(1)円周が10mmのとき
① π=3で計算すると...
dは3.33...
誤差≒+0.15mm
② π=3.14で計算すると...
dは3.1847133758
誤差≒+0.0016mm
③ π=3.1415927で計算すると...
dは3.18309881481
誤差≒ー0mm
④ π=3.14159265359
dは3.18309886184
誤差≒ー0mm
不合格の製品は ① (π=3)
(2)円周が100mmのとき
① π=3で計算すると...
dは33.33...
誤差≒+1.50mm
② π=3.14で計算すると...
dは31.847133758
誤差≒+0.016mm
③ π=3.1415927で計算すると...
dは31.8309881481
誤差≒ー0mm
④ π=3.14159265359で計算すると...
dは31.8309886184
誤差≒ー0mm
不合格の製品は ① (π=3)
(3)円周が1000mmのとき
① π=3で計算すると...
dは333.33...
誤差≒+15.02mm
② π=3.14で計算すると...
dは318.47133758
誤差≒+0.161mm
③ π=3.1415927で計算すると...
dは318.309881481
誤差≒ー0mm
④ π=3.14159265359で計算すると...
dは318.309886184
誤差≒ー0mm
不合格の製品は①(π=3)と②(π=3.14)
という具合に、πの必要な桁数は、対象となる大きさなどによって、大きく変わってくるのです。
通常の製品では、精度±0.1mm は普通です。
精密部品や超精密部品となると、その小数点以下の桁数は2,3桁以上になります。
身近な対象となる大きさも1mm以下から1m以上と桁がバラバラな上、ものによっては1μm程度の誤差範囲しか許容しないものまであり、技術の向上により、日々、要求精度は上がっています。
π=3で計算、製造されたスライドパイプなら、ガバガバで使い物になりません。
宇宙船の燃料を送るスライド式のパイプがあったとしたら...燃料漏れで大爆発!
以前働いていた職場では、1m単位の物で誤差±0.03mmということが普通にありました。
製造過程ではどうしても様々な要因で誤差が生じてしまいますので、設計段階で誤差が大きいと製造時の品質が低下する要因が増えることになるのです。
実際は設計時に製造時の誤差を加味した設計をしたり、設計要求を満たす製造方法を開発したりします。
如何に製造技術が優れていても、設計で誤差が大きいような設計技術が低いとどうしようもなくアホな製品しか作られません。
今回は、いわゆる工業製品などを例にしていますが、
天文分野やミクロの分野でも同じです。
分野にもよりますが、デザインでも同じです。
最低限、π=3.1415927 は記憶しておきたいものです。
また、必要な桁数は変化するものであると確実に認識することが「ことさら重要」です!
もし、お子様がおられる場合、
3つの違う直径のパイプなどを用意して、
1つの対でスライドさせるとガバガバで、π=3のときで、
残りの対でスライドさせるとピッタリで、π=3.14のとき。
こんな感じの話をされると、勉強の大切さも理解してもらえると思います。
追記:2019/03/18
円周率が 3.141527となっていましたが、正しくは 3.1415927 です。
記事本文は修正済です。
タイプミスで '9'が抜けていました m(_ _)m
wattoさん、ご指摘ありがとうございました(^^)/
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