「SHIROBAKO」全話を見終わって、システム開発業界に思いにふけて...

　録画ディスクを整理していたら SHIROBAKO が出てきたので、思わず休日の一日中に見入ってしました。

　2014年10月～2015年3月に放送された SHIROBAKO はアニメの作成を通じて、仕事の大変さ難しさが的確に表現されていて、大人が見てもとても共感できると思います。
SHIROBAKO という題名は、作品完成時に関係者が最初に手にする成果物である白箱をローマ字表記したもので、システムやソフトウエアでいえば最終ベータ版といったところでしょうか。

　ページの最後に "SHIROBAKO 特別エンドロール" を貼っておきましたので、噛み締めながら見てね。

　アニメを見ていると、システム開発や中・大規模ソフトウエアと手順や苦労などが酷似しているので、余計見入ってしまいます。（笑）

　営業やシステムやソフト開発の仕様設計のいうところの絵コンテ、外注とのやり取り、ネゴシエーション、スケジュール管理などの大変さ、難しさそして担当の苦悩など、疑うことなく共感できます。

オリジナルTVアニメーション『SHIROBAKO』コミックマーケット86公開PV

　SHIROBAKO のような作業は、システマチックに仕事している会社や業界などはおそらく同じような感じではないでしょうか！？

　ただ、多くのシステムやソフト開発と違う部分が、成果物が100%の完成物ではないところです。
「完成物ではない」というのは、システムやソフト開発のすべてではないのですが、アニメのような完結がないところです。
アニメの場合、放送時点で作業完結しますが、システムやソフトの場合、パッケージ系でない限り、修正・改良などの逐次作業が長期的に発生するので、開発統括などに関わると達成感が薄くなりがちです。

　OSのバージョンアップによって基本ライブリーが変更され、使ってる関数の動作が変わり修正せざる得ない場合があります。
それ自体割り切れますが、Windowsを使ったシステム。ソフト開発はウンザリしました。
複数の技術からWindowsのバグではないかという報告が上がっているにも関わらず、Windows側は仕様と言い張ることは多々ありました。(現在は多少改善されているらしいです)
これは関数の機能解説書と違う動作になっているというのなのです、OSのバージョンアップで告知がないまま、こっそり変更するのです。しかもマイナーバージョンアップごとで発生するとなると、もう勘弁してくださいと言いたくなります。
しかも、ユーザーからは開発側のバグだと言われますし。(苦笑)
今ではほぼないですが、日本の場合は日本語処理関連は酷かったですね。

　OSのバージョンを指定した開発でも、セキュリティー対策などのマイナーバージョンアップは無視できないので、開発中も納品後もバージョンアップとの追いかけっ子状態でした。
Windows系からMACやLinux系に転向した技術者も多いです。（笑）

　またモジュール開発や部分開発の場合でも、開発完了・納品するとしたからといっても、殆どの場合別の案件に関わっていることが多いので、納品後すぐに同時並行している開発に注力しなければなりません。

　このような状況で、達成感を味わうのは難しいですよね。
開発業界全体で、リフレッシュできるような仕組みが広がると良いのですが、業界全体としてそれほど経営や利潤が安定した業界ではないので、そういった仕組みを導入しにくい環境であるといえます。

　システムやソフト開発業界で達成感を味わいのであれば、パッケージ系を開発している企業も就職することをお勧めします。
パッケージ系では完成打ち上げ会などがある場合が多いらしいですよ。
(以前ゲームソフト会社からヘッドハンティングがあった時、担当者からそう言われました)

　そんな感じで、SHIROBAKO を見ながら思い出していました。
そう言えば、SHIROBAKO 劇場版の制作を以前耳にしましたが、公開日はいつになったのでしょうね。（笑）
アニメ業界も厳しいですが P.A.WORKS が制作すると発表したので、流れる可能性はないでしょう。
「武蔵野アニメーションの新たなる戦い」の劇場公開が楽しみです！

● SHIROBAKO 公式サイト

shirobako-anime.com